市は労働者、市民、市内中小零細事業者支援のために 一層の助成実施を!

 今回のコロナ禍に際して綾瀬市は、市内に664世帯あり約半数が非正規労働者というひとり親家庭に、一律3円を給付しました。悪くない話ですが、給付は1回だけというのは不十分です。

 また、市内の中小零細事業者に対して「中小企業事業継続支援臨時給付金」(以下、継続支援給付金と略1件につき10万円支給)、「中小企業雇用安定支援臨時給付金」(以下、雇用安定給付金と略、1件につき30万円支給)という2つの給付金を出しました。いずれも1回限り。

 「継続支援給付金」は6月30日申請締め切られ、約千件の申請がありました。深刻さが伝わって来ます。

 「雇用安定給付金」は9月30日が申請締め切りですが、対象は「雇用調整助成金の支給を申請した」事業所となっていて、条件が厳しくなっています。

 どちらの支援策についても市内事業者からは「すずめの涙程度」、「個人事業者なら良いかもしれないが、10人を超える労働者を雇用している事業所にとっては2桁足りない」という声が上がっています。本来は政府が十分な額を出すべきところですが、市としては金額を増額してコロナ禍が収まるまで助成金をし、「雇用安定給付金」については、条件を緩めるべきです。

また、他市では実施している「家賃補助」を望む声は市内事業者からも上がっています。綾瀬市でも実施すべきです。

今回実施の2つの給付金の予算額は合計2億8千万円。給付金にはまだ余裕があります。財源は全額、財政調整基金を取り崩して使っています。財政調整基金は2020年度末残高が20億4千万あり、まだ余裕があります。

地域振興に役立たない 道の駅は中止を!

 古塩市長は「目指すまちづくり」の第一に「スマートインターと道の駅の整備」を掲げています。スマートインターは来年夏開通の予定。

 道の駅は2022年度開業の予定。市役所北側の農地約1ヘクタールを買い取って、地場の畜産物や加工品の販売を行う予定です。畜産振興施設も併設し、用地買収や実施計画などに約7億円の予算を確保したとのことです。

 地場の野菜は中心ではありません。農協は現在、深谷にあるグリーンセンターで地場野菜の販売を行っていることで手いっぱい。道の駅に野菜を供給する余裕はありません。

 道の駅については、指定管理者をめざして市内の畜産農家4戸7人が「株式会社あやせ道の駅」を設立したとの報道が7月末にありました。

 中心になっているのは「高座豚手造りハム」経営者の志澤勝さんと「鈴保養鶏園」経営者の鈴木光雄さん。

 道の駅開設の目的として市は地域振興を掲げていますが、市の畜産農家は14戸とごく少数。そのうち最大の6戸がいる養豚部会は関わっていません。地域振興の広がりは期待できません。

 また、市役所北側にはすでに飲食店が軒を並べ、大型スーパーも近くにあります。これから道の駅を作って高座豚手作りハムなど市内の畜産品を中心に販売したり、食堂を作ったりしても、経営が成り立つのか、大きな疑問があります。

 道の駅開設で一部の企業と地権者だけを潤し、不要不急でお荷物になりそうな事業はやめて、コロナ禍で苦しむ弱者労働者、中小企業支援に力を注ぐべきです。

 

 中小企業に犠牲を押し付ける 早川中央区画整理事業は中止を!

 早川城山住宅地と早川工業団地、さがみ野工業団地の間にある農地はいま、大企業誘致のための工業用地として区画整理事業が進められています。

 この事業用地内には現在、早川工業団地組合が162台分、さがみ野工業団地組合が60台の駐車場を借りています。それとは別に8事業所が営業所や駐車場、資材置き場などとして利用しています。

 区画整理事業を進めて大企業を誘致することになるとこれらの駐車場などがなくなり、事業活動にも影響が出る懸念があります。このため、早川工業団地組合のみなさんは「大企業誘致反対」「中小企業の駐車場を奪うな」「早川中央地区の土地区画整理事業反対」「ものづくりの街あやせを守れ」のノボリを立てて反対しています。

 この事業で利益を得るのは地権者と大企業だけです。大企業を誘致するためにこれまで頑張ってきて、いまコロナ禍で窮地に立たされている市内の中小製造業の皆さんに犠牲を押し付ける市のやり方は許せません。早川中央区画整理事業は中止すべきです。