「横田ラプコンの撤廃を求める陳情」県内議会の2市1村で採択

 自主・平和・民主のための広範な国民連合・神奈川では、「横田ラプコンの撤廃を国に求める意見書の提出を求める陳情を県内すべての12月議会に提出。綾瀬市議会では、私が所属している総務教育常任委員会で審議しました。
賛成は私一人だけで、不了承となりました。市と議会は「日米地位協定の抜本改定」を国に求めています。横田ラプコンの撤廃もその一環ですので、不了承というのは非常に不可解です。
県内では小田原市、秦野市、清川村の各議会が採択しました。相模原市、藤沢市の各議会では、常任委員会では趣旨了承となりましたが、本会議では不採択となりました。横田ラプコン撤廃を求める議会が複数あります。これをもっと広げていきたいと思います。
陳情文にもありますとおり、首都圏の空は米軍に支配されています。羽田空港の路線拡張でさえ、米軍に許可を求めなければいけないというのは、独立国とは言えない状況です。
この問題は最近、テレビやラジオでも取り上げています。市民の皆さんとともに声を大きくして横田ラプコンを撤廃させ、日米地位協定の抜本改定を実現させましょう。
自主・平和・民主のための広範な国民連合・神奈川の陳情文を添付します。

横田ラプコンの撤廃を国に求める意見書の提出を求める陳情書 

自主・平和・民主のための広範な国民連合・神奈川

最近、首都圏の上空が米軍によって占領されているという厳然たる事実が、あらためて住民の前に明らかになりました。11月4日付『読売新聞』は1面トップで、そこを通る日本の民間旅客機のごく一部の管制を日本側が行う見通しになったと報じました。

首都圏を含む1都8県(東京、栃木、群馬、埼玉、神奈川、静岡、山梨、長野、新潟)の上空にまたがる高度約2400~7000メートルの広大な空域は、戦後73年たった今も、日米地位協定に基づき米軍が航空管制権を握っており、日本の民間旅客機は自由に飛べない占領状態が続いています。いわゆる「横田ラプコン」と呼ばれる治外法権の空域です。

ところが、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて羽田空港の国際線発着枠を広げようとすると、この横田ラプコンが障害となって立ちはだかっていることが明らかになり、そのため政府は米軍に対して通過できるように交渉してきました。

一度は拒絶されたという報道がありましたが、「夕方の約4時間だけという条件付きで合意する見通しとなった」という報道です。

なんという理不尽、主権国家としてあるまじき屈辱的な事態が続いているのでしょうか。首都圏上空でさえ、米軍の許可がなければ日本の飛行機が自由に飛べず、羽田空港の離発着は、横田ラプコンという占領空域を迂回せざるを得ず、乗員乗客に時間と費用、安全面で負担と犠牲が強いられているのです。読売新聞の報道にあるように、日米合同委員会でごく限られた条件付きの日本への「管制」が認められたとしても、首都圏の住民にとって黙って受け入れるわけにはいきません。これを機に、首都圏の上空の主権を取り戻す声を大きく広げるべきではないでしょうか。

オリンピック・パラリンピックが東京で開催されることとかかわって明るみになった、米軍による占領の実態を首都圏はもとより、国際的にもあきらかにし、世界に向かって主権を取り戻すアピールをするチャンスです。

これまでも、沖縄をはじめとして「第二の基地県・神奈川」でも、米軍・米兵が事件・事故を起こすたびに、原因究明・再発防止を求めてきましたが、米軍・米兵の事件・事故はいっこうになくなりません。その根源には、「憲法の上に日米地位協定があり、国会の上に日米合同委員会がある」という日本政治の屈辱的現状がある、と故翁長雄志沖縄県知事は指摘していました。

今年7月全国知事会は、原則として国内法を米軍にも適用させることを求めて、全会一致で日米地位協定の抜本改定を求める提言を採択、国へ要請しました。全国的世論を高める画期的な行動です。

私たちも、県内の各団体と連携し、この2年間、連続して渉外知事会を前に、黒岩祐治県知事に対し、日米地位協定の抜本改定を求める集会と要請行動を取り組んできました。労働組合の連合神奈川も7月「平和ビジョン」を策定して、「日米地位協定の抜本的見直し」を求めています。県民世論と運動のうねりを興し、国に対して抜本的な見直しを求める機運は広がっています。

横田ラプコンを撤廃させる問題は、首都圏住民にとって喫緊の課題となっており、日米地位協定抜本改定に向けての具体的な第一歩となります。

私たちは、住民の生活と安全、安心を守るため、米軍が管制権を握る横田ラプコンを日本政府が撤廃させ、首都圏の上空の主権を取り戻し、国内法を適用するよう要請する意見書を貴議会が国に対して提出されることを陳情いたします。

陳情項目

住民の生活と安全、安心を守るため、米軍が管制権を握る横田ラプコンを日本政府が撤廃させ、首都圏の上空の主権を取り戻し、国内法を適用するよう要請する意見書を貴議会が国に提出されること。