[12月の一般質問03]

厚木基地について、3点ほどお尋ねします。

1.汚染調査について

11月25日の朝日新聞は、沖縄県の米軍基地周辺の河川や浄水場など計15地点で、発がん性が疑われている有機フッ素化合物が高濃度で検出された。2013年から18年にかけての県の調査によるもので、県は基地内に汚染源があるとみて立ち入り調査を求めているが、米軍は応じず、原因は不明のままと報じた。
15地点の内訳は米軍嘉手納基地周辺が6地点。米軍普天間飛行場周辺が9地点と、米軍基地の飛行場周辺に集中している。
本市には米軍が厚木飛行場を利用しているが、基地周辺の河川について、汚染調査はどうしているか。
冒頭でも紹介したが、沖縄県は2016年1月、防衛省を通じて、米軍に基地内の立ち入り調査を要請したが拒否された。沖縄防衛局も2017年度に調査を計画したが、米側の許可は得られなかった。日本側が立ち入り調査をしたくても、現状の日米地位協定では米側が許可しなければ入れない。これでは市民の安全は守れない。
ドイツでは郡長、市長は事前の申請なしに24時間、立ち入ることができるという。全国知事会が今年7月に全会一致で採択した「米軍基地負担に関する提言」でも、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを日米地位協定に明記することを求めている。

住民の安全に危険が生じるような事態が生じた時は、市として無条件で立ち入り検査ができるように日米地位協定の改定を求めていただきたい。

2.ヘリコプターの墜落事故について

7月27日、厚木基地で米軍ヘリから窓枠の落下事故があった。10月19日には、フィリピン海にて第5空母航空団所属の米海軍ヘリMH-60が離陸後すぐに、空母ロナルド・レーガンの飛行甲板に墜落した。このヘリは、厚木基地の上空を日常に訓練飛行しているヘリと同型のもの。米軍機の事故が相次いでいる。
昨年も横須賀基地所属のイージス艦が相次いで事故を起こした。朝鮮半島の緊張が激化して米軍の訓練が厳しくなった結果だと言われている。朝鮮半島の緊張は現在緩和している。最近は、米中関係の対立が激しくなっている。最近、米軍機の事故が相次ぐのは、そのために訓練が厳しくなっているためではないか。これからも事故が相次ぐことが考えられる。市民にとっては危険この上ない。

市としてはその都度原因究明と再発防止を求めているが、事故は相次いでいる。
原因究明と再発防止策について、日米地位協定を改定して、市としても立ち入って関われるようにする必要があると思うがどうか。

3.騒音について

3月に艦載機が岩国移駐して以降の、航空機騒音の状況は、100デシベル以上の騒音については9割減ったが、70デシベルから90デシベル台の騒音は1割から3割減と、あまり減っていない。
9月に厚木爆同などが行った目視調査では、米軍ヘリコプターMH60が頻繁に騒音を出していることを確認している。また、自衛隊の哨戒機P1とP3C、米軍の連絡機UC12Fなどによるタッチアンドゴー訓練が繰り返されていることなども発生源であると考えられている。艦載機が岩国に移駐しても、厚木基地の騒音は依然として残っている。騒音解消の対策が必要と思うが、どうみているか。
3月に艦載機が岩国に移駐して以降、上土棚北の70デシベル以上の測定回数は前年比で4月が66%、7月は91%だったが、10月、11月は155%、113%と前年を上回った。100デシベルを超える騒音は減少したが、70デシベルから100デシベルの間の騒音は増えている月もある。引き続き騒音をなくす対策が必要だと思うが、どう考えているか。
全国知事会が今年7月に採択した「米軍基地負担に関する提言」は、「日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍に適用させること」を、基地を抱えない県も含めて全会一致で採択した。「基地の整理・縮小・返還を積極的に促進すること」「飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行うとともに、同措置の実施に伴う効果について検証を行うこと」なども含まれており、日米地位協定の問題を、全国の自治体の共同の課題としたことで、本市としても大変心強いものとなったと思う。
日本弁護士連合会では今年の4月、日米地位協定の抜本的改定を目指して人権擁護委員会の基地問題に関する調査研究特別部会をドイツ、イタリアに派遣し、10月には調査報告書を出版した。
連合神奈川も今年7月、平和ビジョンを作成して、日米地位協定の抜本改定を求めている。
2020年の東京オリンピックに向けて、羽田空港の路線を拡大するためにも、米軍横田基地が航空管制を行っている空域、横田ラプコンが障害になっていることが明らかになった。日米地位協定の抜本改定を求める声が今、大きく広がっている。本市と議会では従来から言っていることだが、世論が広がっているこの機会をとらえて、これまで以上に強く国に迫る必要があると思うがどう考えるか。